BLOG

ブログ

演奏する人のココロとカラダ

有意義な時間を過ごす。

あるヴォーカリストAさんとの、オンラインレッスンでのこと。 画面に映るAさんは、いつもより少しお疲れの様子に見えました。 「ごめんなさい……今日ちょっと、疲れてしまっていて。」 せっかくのオフの1日を、ある習慣的な行動に費やしたことであまり有意義に過ごせなかったとのことでした。 たっぷり時間がある日ほど、そ...

演奏する人のココロとカラダ

何も考えずに吹きたい。昔のように。〜過去の自分との統合〜

「何も考えずに吹きたいんです。昔のように。」 指とアンブシュアの不調のためレッスンにいらっしゃった若いサックス奏者さんが何気なくこぼしたこの言葉に、少し胸の痛みを感じました。 こんなふうに訴える方は、実は少なくありません。 「何も考えずに」 「昔のように……。昔の自分に戻りたいですか?」 「いえ、楽器は今よ...

教育者の気づき

自分が難なく出来たことを、生徒さんにどう伝えるか。

何度かレッスンにいらしてくださっているサクソフォン奏者Oさんから、メールをいただきました。 メールをいただく直前のレッスンでは、「自分自身はあまり苦労することなく出来たことを、生徒さんにどう伝えたらいいか」ということについて一緒に考えさせていただきました。 メールの内容は、その後のOさんのレッスンでの、生徒...

演奏する人のための身体の使い方

高音のディミヌエンドで噛みすぎてしまう ~サクソフォン奏者とのレッスン~

高校生のサクソフォン奏者がレッスンにいらっしゃった時のお話です。「高音でディミヌエンドしようとすると、どうしても噛みすぎてしまうんです。噛まないように噛まないようにと思って吹いてるんですけど……」マウスピースやリードを噛みすぎてしまう、というのは、サクソフォンに限らずリード楽器(クラリネット、オーボエなど)...

演奏する人のための身体の使い方

腕に力が入ってしまうクラリネット奏者とのレッスン〜ソロへのエネルギー〜

「楽譜に”ソロ”という文字を見つけると、途端に肩とか腕に力が入ってしまって。吹き終わった後に指を見ると、キィの跡がくっきりついてるんですよね(笑)。力を抜こう抜こうと思うんですけど、なかなか難しくて。ソロだから少し”立つ”音を、って思うんですけど、高音は細くな...

演奏する人のための身体の使い方

右手の親指が痛い方へ〜手は外部の脳〜

「右手の親指が痛くて……。」クラリネットをはじめ、オーボエやサックスを演奏される方から多く寄せられるお悩みのひとつです。それぞれの楽器によって右手親指の役割は微妙に異なるものですし、同じ親指の痛みであっても、起こっていることはその人その人により実に様々です。今回は、親指や手腕の構造、そしてそれらの特徴から、...

演奏する人のための身体の使い方

発音とビブラートの不調~サックス奏者とのレッスン~

「主に発音とビブラートなんですが、日によってうまくいってる時といかない時があって……」 サックス奏者とのレッスンから。“調子の波”というのは誰にでもあるものだと思いますが、その不調の原因が何なのかがある程度クリアになっていくと、その波も多少は穏やかに乗りこなせるものだと思います。今回...

受講者の声

「演奏には、その人の全てが詰まっている」~ピアニストとのレッスンから~

先日レッスンにいらっしゃったあるピアニストさんから、こんなメッセージが届きました。 “先日はレッスンをありがとうございました!難しいエチュードを弾いているのに身体がふわりとそこにいてなんだか夢の中(もしくは空想)みたいな感覚でした。背中に羽が生えた気分。そして、「身体はどこから曲がるか」という問...

教育者の気づき

触れる、ということ。

ーーーーーーー 「レッスンをとおして生徒さんが何を受け取ったか、私たちには量り知ることなどできないのよ。」 ーーーーーーー先日、ボストンから来日しているデビ・アダムス先生のワークショップを受ける機会に恵まれました。デビさんはアレクサンダー・テクニーク教師であり、ピアニストでもあります。ずっとレッスンを受けた...