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「本番前に感じるあの”フワフワ感”を、もう少し何とかできないものでしょうか…鍵盤から手が浮いちゃう感じがして。」

ピアニストさんとのレッスンで。

「あの何とも言えないフワフワ感ですね…私はこっそり”フワフワの神様キター!”ってつぶやいてます(笑)」

「フワフワの神様?(^ ^)」

「本番前にしか絶対現れませんよね、それ。でも本番前には必ず来る。不思議だから勝手にそう呼んでるんですけどねー。」

「…それ聞いただけでちょっと和みました(^ ^) 使えそう。」

まぁ、これは冗談ですが…繊細な動きが要求される楽器演奏において、確かにあの”フワフワ感”についてはちょっと乗りこなしていきたいものですね。

今回は本番前の”フワフワ感”について。

 

フワフワの正体。

この本番前の”フワフワ感”についてはかなりの個人差があると思います。

緊張はしていても、あの体が浮いているような、地に足が付いてないような感覚があまりないという方もいらっしゃいます。

しかし「マウスピースの当たる感覚」「リードの当たる感覚」「楽器の感触」「共演者との距離感」「譜面台との距離感」など、こういった何かしらの「皮膚感覚(あるいは筋感覚)の変化」を感じる方は多いかと思います。

これら「感覚の変化」も脳から興奮物質が分泌されることによる作用の一つです。

興奮物質が分泌されると、感覚が大変鋭敏になります。本番時にはいつもより細やかに情報をキャッチし、物事に俊敏に反応できるようにするためです。…よくできてますね。

(詳しくはこちらもどうぞ↓)

なので、無理に抑え込まずその波に乗っていくのを待つのが良いのですが、できれば最初の1音目からコントロールしたいものですね。

 

感情を言葉にする。

まずは<本番会場に入る〜楽屋で過ごす>ときにできること。

本番の会場に入るまで、あるいは会場の客席やロビーなどを歩いて回りながら「自分の今の感情」を声に出して言うことがオススメです。

素直に、頭に浮かぶことを声に出しまくるのです。

「怖いなー」「できるかな」「どう思われるかな」「いい天気だな」「キレイな花が咲いてるな」「ちょっと肌寒いな」「やっぱ帰りたい(笑)」・・・なんでもいいのです。そこにジャッジは要りません。とにかく口に出してみてください。

 

楽屋では「しゃべっていたい」方と「黙っていたい」方がいると思います。

しゃべりたい方は、どうぞしゃべりまくってください。(できれば同じように「しゃべりたい方」とお願いします笑)

黙っていたい方も、共演者やスタッフさんとできるだけ会話をして、少しコミュニケーションをとることがオススメです。

 

このように「感情を言葉にする」「コミュニケーションをとる」ことが、興奮物質の過剰な分泌を抑え、フワフワしがちな感覚や思考を「今」に取り戻すことに繋がります。

『気が散る!』と思われる方もいるかもしれませんが、この時点で頭も体もかなり演奏に集中しているものです。過剰な”集中”は身体の動きにくさを伴うこともあるので、フワフワ感のある方はぜひ少し取り入れてみてください。

 

触れる。自分を”今”に戻す。

最後に<舞台袖でできること>について。

共演者がいる場合は、握手やハイタッチをするなど軽いスキンシップをするのがオススメです。

その時、だいたいは「お願いします!」と声をかけるものだと思いますが、ここでそれに加えて「今日もありがとう」など感謝の言葉を添えるのが大変オススメです!

共演者がいない時やスキンシップが難しい場合は「顔や頭、腕など自分の体に触れる」ことでも効果があります。

 

また、“自分が何者であるか”や”好きなもの”を言うこともオススメです。(ささやき声くらいでお願いします笑。)

「~家の長女です」「~に住んでます」「~出身です」「父親の職業は~です」「〜奏者です」「会社員です」「今〇〇に居ます」「好きなものは〇〇です」・・・なんでもいいです。ここにもジャッジは要りません。

 

以上、「触れること」と「自分が何者かを言う」ことも、興奮物質の過剰な分泌を抑えて、感覚を「今ここ」に取り戻すことに役立つと思います。

 

今回はいずれにせよあくまでも1例であり、ご自分のやりやすい、気持ちの良い方法にアレンジして取り入れていただけるのが良いですね。

本番前の取り組みに関しては、こちらもぜひご参考ください。

 

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