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リード楽器奏者の皆さん。

・・・梅雨です。

今年も梅雨がやってきました・・・。

梅雨どきだけでなく1年を通して、リードの選択や管理には頭を悩ませている方が多いと思います。

私のようなシングルリード楽器はまだしも、ダブルリードの皆さんに対しては・・・なんとも頭が下がる思いです。

今回はそんな悩ましき「リードとのお付き合い」について考えてみました。

 

リード。その思春期女子のような存在。

「さっきまで機嫌が良かったのに…急にヘソを曲げちゃって。お願い、機嫌直して!」

こんな風にリードに話しかけたことがある人も多いのではないでしょうか。(いや多いはず…。)

性質や寿命の個体差に加え、季節による気温や湿度の変化、ステージでの乾燥や照明による暑さ、楽屋との温度差。

リードを取り巻く環境はなかなかに過酷なもので、1枚1枚性格が異なるそれらを繊細に選別し、本番やリハーサルに合わせて管理していくのは、なかなか気を使う作業です。

奏者一人一人によって、その選別方法や管理方法も様々で、こだわりもあるものですね。

私は怖がりなので、本番のかなり前から”本番用リード”を決めてしまい、本番を迎えるころにはいつも旬を過ぎていて…でもやっぱり怖いからまた早くから決めてしまいたくなって…という悪循環を繰り返しているタイプでした(笑)

「・・・怖いから。」

リードを決める時に、私のように「恐怖」が先に立つ状態で選んでいる方も少なくないのではないでしょうか。

「リードに振り回されている」

こんな風に思いつつリードを選ぶことから、少し脱却したいものです。

 

選ぶ前に。

とはいえ、リードを使用する楽器奏者にとって、リードは命です。

いいリードがあれば、心も身体も驚くほど自由度が増すものです。本番前の緊張度にも影響しますね。

だからこそ、繊細にもなるもの。

しかしそのリードを選ぶとき、肝心の「自分自身」に対する意識はどのようなものでしょうか?
リードケースにずらりと並んだリードを前に、リードだけに心を奪われていませんか?

「ドキッ」とした方は、ぜひ続きをお読みください。

***

楽器を演奏するのも、リードをコントロールするのも、他でもない自分の身体です。

自分の身体が自在に動ける状態であれば、リードまたはリードの変化に対応することへの自由度も増すと思います。

まずはリードを選ぶ前に、自分の全身へ意識を向けてみてください。(アレクサンダー・テクニークに興味がある方はこちらも併せてお読みください。)

頭、脊椎、腕、手、肋骨、骨盤、脚、足の裏・・・。少し動かしてみるのも良いと思います。

リードを装着するときも、できるだけこの意識を持っていてください。

そして、たとえ吹き慣れているリードであっても「どんな音がするか、息に対してどんな反応をするか」をあえて予想せずに(←ここポイントです)、ただ「出したい音量、音色」をイメージして吹いてみます。

リードを変えるたび、これを繰り返します。

 

私たちも変化している。

これを繰り返していった結果、私自身リードに対する恐怖感などが減り、柔軟度が格段に増したと思っています。

何より「このリードでなければ!」という意識が減ったことで、本番に対する自由度に大きな変化がありました。

リードは確かに変化します。

しかし、私たちこそが常に大きな変化の揺らぎの中にいます。

リードを選ぶ前に、まず自分に意識を向け、その時の自由度をできるだけ取り戻しておくことはとても有益だと思います。

「リードがない!」という心の状態で選ぶのと、「今日のリードはどうかな」という心持ちで選ぶのと、結果は同じではないでしょう。

リードの変化に繊細でありつつ、揺らぎの中にいる自分にも繊細な意識を向けてみてくださいね。

 

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