教えること

結果としての”覚悟”。〜ATI教師認定試験を受けて〜

アレクサンダー・テクニークの教師資格を取得して、3年の月日が経ちました。

めぐる月日の中、レッスンという空間でたくさんの皆様と時間を共有させていただきましたが、このレッスンには良くも悪くも教師である”わたし自身”というものが色濃く反映されていくものでもあります。

だんだん、だんだんと知らない間に利己的な解釈や、分かっているふりや、気づかない習慣や思い込みやらが侵入してきているような気もしていたし、
またこれまでの自分の道のりを少し振り返る意味もあったり、
また自身のブラッシュアップも兼ねて、
この度もう一度認定試験を受けることにしました。

今回はその1回目の試験を受ける中での出来事について。

 

初心に還る。

私が現在取得しているアレクサンダー・テクニーク教師資格は、私が訓練を受けていた学校が発行しているものです。

こちらもきちんとした基準が設けられており、多くのカリキュラムとペーパーテスト、プレゼン、ワークショップの開催などなどをクリアしてから3回の実技試験(教えるところを評価されます)に合格し、実習期間を経て晴れて資格を取得することができます。

なので、資格としてはもちろん十分なのですが、前述したような理由から改めて初心に還り、これまでと異なった機関での教師認定試験にチャレンジしてみようかなと思った次第です。

今回私がチャレンジした機関はATI (Alexander Technique International)という、アメリカに本部を持つ国際機関の一つ。これまで私が学んできた海外の先生方が創設メンバーに加わった、伝統ある機関です。

こちらも、3人のATIスポンサー教師(認定試験の判定ができる教師)にそれぞれ合格をいただく必要があります。

ちょうど尊敬するキャシー・マデン先生が来日されているので、このタイミングで1回目の試験を彼女にお願いすることにしました。

 

逃げ腰での準備(笑)

しかし予約を取り、試験料をお支払いしてからも、先日の簿記の試験(こちらご参照ください) の時と同様に、

『やっぱりやめようかな・・・コワイ・・・(T T)』
『なんでお金払っちゃったかな・・・やめときゃいいのに・・・(T T)』

とすっかり逃げ腰の私なのでした(笑)。

さて、そんなへっぴり腰になりながらも、必要な書類などの準備を進めていきました。

まずは生徒さんになってくださる方を探さなければなりません。
この試験は試験官の先生によって、試験方法や時間が若干変動します。通常は一人の生徒さんに教える個人レッスンでの試験方法が主流ですが、キャシー先生の場合はグループレッスンでの試験も可能でしたので、2人の生徒さん(クラリネット吹きさんとトランペット吹きさん)に来ていただくことにしました。
(お二人とも即答でOKをいただきました・・・感謝(T T)。)

そして提出書類として、私のレッスンを受けた生徒さんからの感想文や、私自身がアレクサンダー・テクニークを教える理由についてのエッセイ、またATIの掲げる「倫理規定」についてのエッセイ、ATIが発行する各種申請書類などなどがあるのですが、問題は・・・

全部、英語。

アメリカの機関でもあるし、当然なのですが。

Google大先生にすがりつきながら、悶絶する数日間なのでした。。。
本当に頭痛がしました。。。
なぜか膝が笑いました。。。
もっと勉強しときゃよかった。。。orz(←300回目。)

 

高い集中状態、そして振り返り。

ほうほうのていで書類を準備し、それを携えて試験が行われるスタジオへ向かいました。

コンサート前の緊張状態と同様、手汗をハンカチでふきふきしている私に、キャシーは優しく声をかけてくださいました。

「今から、大好きなことをするんだものね(^ ^)。」

『・・・あぁ、そうだった。それにしても相変わらずこの人は女神のようだ。。。』

そんな”いらんこと”を考えている間に、試験は始まりました。

試験は1時間半ほど。最初の10分ほどはお二人に対してアレクサンダー・テクニークを紹介するレッスンをし、その後はそれぞれに対して個人レッスンをします。

…今振り返ると、このレッスンの最中の私は、非常に高い集中状態にあったのかもしれないと思います。

自分に対してアレクサンダーを使い続けながら、同時に生徒さんを観察し、その時その方に最も適切と思われる提案をする中で、どのような表現方法を選択するべきか、どこまで言及することがふさわしいか、どのタイミングでどのように手を使ったら効果的か、どこでどうレッスンを終わらせるのが適当か・・・ありとあらゆることを、非常に包括的に思考し、かつ自身と生徒さんを含めた部屋の全体を俯瞰して眺めているようでした。

それはあまり味わったことのない感覚でした。
(もちろん、いろいろと焦るシーンも多々ありました汗。)

終了後。

「たくさんの経験を積んだことが伝わってくるレッスンでした。大変クリアで、よく考慮され、工夫があり、生徒さんとの間で安心安全なコミュニティが成立していたわ・・・もちろん(合格と)サインするわよ(^ ^)」

ほっ…とするのも束の間、キャシーからたくさんの質問をされました。

一応試験内容ですので細かい表現は避けますが、レッスン中に私が取った選択についての解剖学的なエビデンスをはじめ、選んだ言葉の理由、私自身の動きの選択の理由、「アレクサンダー・テクニークを教えるということ」について自分自身がどのような概念を持っているかについて、細やかに尋ねられました。

その一つ一つを噛みしめながら答えていく時間は、私のこれまでの学びと、3年余りのAT教師経験をゆっくりと辿るような時間でした。

キャシーは私のその拙い回答を、一つ一つ丁寧に頷きながら、共感を持って受け取ってくださいました。
(彼女のこういうところも、尊敬するところです。)

そして彼女から幾つかの細やかなアドバイスをいただきましたが、これが本当に細やかで(例えば骨盤底筋群を手で表す時の、ちょっとした角度とか)、「よくそんなところまで見てるな&覚えてるな・・・やはり只者ではない・・・」と大変失礼なことを思わずにはいられないのでした(スミマセン)。

私からの(たぶん幼稚園レベルの)英文のエッセイ類も、なんとか内容は伝わったようです。


(↑試験終了後、キャシー先生と。)

・・・この今のタイミングで、そして彼女にレッスンを見てもらえて、本当に良かった。

このまま教師として進んで行くことに、改めて決然と、自信のようなものと…結果として”覚悟”ができたように思います。

素晴らしい時間でした。

二人の生徒さん、素晴らしい通訳さん、そしてキャシー先生に、心より感謝申し上げます。

 

 



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