自由なパフォーマンスのために

ことだま。〜「言葉」を受け止めるスキル〜

 

言葉というのはとても強い力を持っているものですね。

アレクサンダー・テクニークの学校であるBodyChanceの教師養成コースでは、言葉の使い方にとても繊細であることを求められます。

それはまさに、言葉が身体の動きにも密接に関係するからです。

ましてや信頼する大切な友人や、尊敬する先生に言われた言葉ほど、大きく影響を受けるものです。

 

そんな時はその言葉を一度手のひらに乗せて、

「自分が動きやすくなるには、どんな言葉に翻訳できるかな?」

と考えてみることも、大切なスキルだと思います。

 

言葉の魔力。

 

音楽教室から電話。

レッスン日では無いが、どうしてもレッスンして欲しいと言ってきている生徒がいるという。

ちょうど空いていたので、レッスンに伺うことにした。

中学1年生。いつもの元気がなく、なんだか憔悴しているよう。

音出しするところを見ていても、何をどうしたらいいのか、いろんなところが行き場を失って彷徨ってしまっているようだった。

「今日はどうしようか?」

「あの…顧問の先生に…『音が悪い』と言われて…」

 

ー「音が悪い」

 

楽器を演奏する者にとってその言葉は、まるで自分自身を否定されているかのように聞こえてしまうもの。

 

「うーん、そっか。。それは辛かったねぇ。音が悪いって言われたら、それだけでこんな顔(´Д` )になっちゃうよね。」

と慰めつつ、先生はその他になんと仰っていたかを尋ねてみた。

 

言葉をより具体的に翻訳しなおす。

 

記憶をゆっくりゆっくり辿りながらも、

「音が固いことと…直線的だと言われました。」

という大切な情報をくれた。

「すごい!よく覚えてたねー。それが大事なところだよね。私だったらショックすぎて、他に何言われたかなんて覚えてられないよ(笑)。」

 

「音が固い、直線的」を「柔らかい音」に変換して、二人でシンプルにシンプルに考えていく。

 

リードが振動して音が生み出されること。

適度な圧力の空気を出し続けることには、大きな腹筋と骨盤底筋が働いてくれること。

噛む力を弱めると同時に、顔のいろんな筋肉がアンブシュアを保つことに協力してくれること。

遠くに響かせるためには、まず自分自身が共に振動すること。

何より、自分自身の意思が楽器と音楽を動かしていること。

 

どんどん顔も音もほころんでいく。

…よかった。これで少し進めるかな。

 

伝えたいこととは。

 

レッスン後、ずっと心配そうにレッスン室を覗いていたお母さんが、娘さんの顔を見て

「あぁ、いい顔をして。親子で落ち込んでいたんですよー。何がそんなにダメなのかって。」

 

…顧問の先生のお気持ちも痛いほど分かる。

生徒への期待、もっと向上させたいという熱い思い、厳しい時間の制約、本番への焦り。決して「音が悪い」ということが、伝えたい本意ではない。

自分も、感情の流れにまかせて、つい無意識に言葉を発してないか?

自分の発した言葉のどの部分が、相手にどう伝わるか、相手がどう受け止めるかは分からない。

慎重になり過ぎたくはない。が、いつも意識的でありたい。

 

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