患者さんの手。〜全体性を考える〜
私の所属するBodyChanceでは、「全体性」をとても大切に考えます。
身体は、そのすべてが繋がりあっているものであって、
部分で起きているように見えることも、
必ず全体と関わりがあるものである。
…そして心も。
そんなことを実感した出来事がありました。
未知への期待と、恐怖。
以前、とある外科系のクリニックでアルバイトをしていました。
そこでは日帰りの手術なども行われています。
その日は、手に怪我をされた患者さんの二度目の手術。
一度目の手術で固定してしばらく不自由だった手を、再び自由な状態に戻してゆく手術でした。
不自由だったものが自由になる、というのは一見とても良いことに感じますが、
元のように動けるようになるかという不安も大きかったのでしょう、
患者さんはとても恐怖を感じていらっしゃるように見えました。
看護師さんに促されて、反対側の手を両手でそっと握ると、少しだけ落ち着かれるようでした。
真夏なのに、冷たい指先。
結局、手術が終わるまでその手をさすったり、肩に手を置かせていただいたりしました。
部分と全体。全体と部分。
その間、患者さんの手は繊細に様々な動きをしていました。
それはまるで、動くほうの手が、手術を受けているほうの手を応援しているような。
手術が進むたび、自由さを取り戻していく指に、新たに動きを教えるような。
「トラブルなどで動かせない部分があるときは、その他の”動く部分”に積極的に動いてもらおう。」
…AT教師グレッグ・ホールダウェイ先生の言葉を思い出しました。
人間はやっぱりその全体で生きているのだなぁ。
どこかが故障していても、それ以外の全体がそこをカバーしようとしてくれる。
本当に、よくできている、完璧なデザイン。
そんなことを改めて感じたのでした。
(…余談ですがその手術、本当にすごい手術方法だったんです。
「人間ってすごい!」と思わざるを得ない体験でした。
詳しくは、ぜひ私に会いに来てくださいね(笑)。)
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