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先日、簿記の試験を受けに行きました。

私は高校を卒業して音楽大学に入り、卒業してからはずっとフリーランス奏者として活動してきたわけで…まぁホントに経済とかお金のことというか、そもそも基本的に「世間知らず」なのです。

2年前に上京し、初めて”会社”というものに属することになって、そこでやっと「社会経済」というものをほんのちょっと垣間見ることになり(笑)…そこで自分の無知さを思い知りました。

「社会人としてこのままではイカン!!」と思うに至り、ちょうど再びフリーランスにもなったので、この機会に思い切って勉強してみることにしたわけです。

(…とはいえ、勉強を始めるまでそもそも「簿記」が何なのかすら知りませんでした(笑)。)

昔から算数も数学も苦手で、高校でも文系を選択していたので、こんなにたくさんの数字と対峙したのは久しぶり…というか生まれて初めてだったかもしれません。

自分の苦手意識と向き合うことと、未知へのチャレンジ。

この二つから、私は自分という人間を改めて見つめる機会を得たと思います。

 

勉強はすべて独学で取り組んだので、とにかく孤独との戦い(笑)。試験日の1ヶ月前くらいから、スマホアプリ(便利な時代ですね…)や過去問題集などを黙々とこなす日々でした。

聞き慣れない用語や、簿記ならではの独特の考え方に触れるたびにパニックになり、「分からない!」「理解ができない!」ということがこんなにも人を恐怖に陥れるのかということを改めて知りました(大げさ)。
初めて楽器や、初めてアレクサンダー・テクニークを学ぶ生徒さんの気持ちも、ここで少し思い出せたような気がしました。

そしていくら勉強しても「私は足りてない!」と感じ不安になる日々。 そこで不安からただがむしゃらに取り組む問題数を数多くこなそうとする自分にストップをかけて、 「何が理解できているか」 「何が理解できていないか」 「そして何に取り組む必要があるのか」 をその都度整理し、限られた時間を効率的に使うことを心がけました。

ただがむしゃらにこなそうとする。
これは私の習慣というか、傾向の一つであり、楽器に対してもやはり同じことが言えるのでした。

そして試験当日。

某大学の「商学部」というところが会場でした。

「商学部」…まぁなんという場違い(笑)。
そして想像を超える規模の大きさ(←ナメてた)。

完全に圧倒され、勝手に「アウェー感」を作り出す自分なのでした(笑)。

しかしこれも自分の習慣。
やっぱり帰ろうとする自分にストップをかけ、
「私は自分の意思でここに来た。
帰ってもいいけど、今日は勉強してきたこと、自分ができることにただひとつひとつ取り組むだけ。」
と言い聞かせつつ、試験が始まるのを待ちました。

…それはまるで演奏の本番が始まる前と同じでした。

試験が始まってからは夢中で、いきなり聞いたことない単語が出てきたり、途中でケタを1ケタ間違えて計算が全く合わなくなり白目になる場面もありましたが、なんとかその度に持ち直して無事に全ての回答を終えることができました。

これも、やはり演奏の本番と重なるところがありました。

…いやぁ、実にいい本番でした(笑)。

 

・・・ここまでの文章の中で「自分にストップをかける」という言葉が2度ほど登場しましたが、これはアレクサンダー・テクニークの原理の中の一つである「抑制」というものにあたります。
“これまでの癖や習慣を無意識に選ぼうとする自分にストップ(抑制)をかけて、新しいやり方を信頼し選択する”というものです。

「ストップ」「抑制」というと少々窮屈な感じがしますが、単純に「気づく」というニュアンスに近いと思います。
…でも自分の癖って、やってる時はなかなか気づかないものですし、気づいたところでやめられなかったりするんですよね。。。

アレクサンダー・テクニークを学んでいると、こういった根本的な自分の「思考の習慣」に触れ、それらに”気づくスピード”を上げていくことができるようになります。

 

さて、こうして新しいことにチャレンジしてみて、また改めて自分の習慣や傾向に向き合い、「全然変わってないじゃん…」という落胆とともに、そんな自分を受け入れた上で、やってくることひとつひとつを手に取り、それに対する最適解を探ろうとするという自分の姿に、少しの成長を見ることができました。(成長って…もうすっかり大人ですけどね(笑)。)

たまにはこうして新しいチャレンジをするのも、良いものですね。

…もう当分結構ですけど(泣)。

結果やいかに。。。

お読みいただき、ありがとうございました!  

 

 

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