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皆さんは、立って演奏することと、座って演奏すること、どちらがお好みでしょうか。
(座らないと、あるいは立たないと演奏できない楽器の皆さんゴメンなさい・・・ご参考までにぜひお読みくださいね。)

あるいは苦手なほうがあるとしたら、それはどうしてでしょうか?

今日は立奏のこと、立って演奏することについて考えてみたいと思います。

 

立奏後、足の疲れと腰の痛みが半端なかった頃

かつての私は、立奏での本番後に必ず強い足の疲労感と腰の痛みを感じていました。
演奏している時は必死でそれどころではないので気づかないのですが、終わった後には必ず痛くなるのです。

「これは仕方のないもの」として自分の中で処理していたのですが、歳を重ねるごとに痛みが増すので(泣)、自分が立奏で演奏している時、特に本番中にどうやっているのか、あるいはどう考えているかを改めて観察してみました。
(アレクサンダー・テクニークでは、まずこの「自己観察」がとても大切な鍵となってきます。)

以下に挙げたものが、私が立奏中にやっていたことで、自覚があるものです。

・安定した音、特に低音域を弱めにかつ安定して出したい時に脚をかなり踏ん張って立っている。その時、脚全体がこわばっている。
・速くて苦手なパッセージを吹く時も、かなり脚を固定させている。微動だにしない感じ。
・全体に「突っ立って」いる感じで、「動こう」と思っても即座には関節が動きにくくなっている。

…観察してみると、いろいろなことをやっているようでした。

 

脚と胴体との関係。

さて、では立つため、とりわけ「立奏するため」に望ましいこととは、どのようなことでしょうか。

ただ「立つ」時(…信号を待つ時とか、電車を待っている時とか。)、ふと気づくと私は、

・膝あたりを後ろの方向に伸ばし、
・股関節(脚の付け根)あたりを前の方向に押し出し、
・その上(腰のあたり)に上半身の重みを乗っける

…というような感じにして立っていました。
同じようにして立っている方もいらっしゃるでしょうか。

これはあくまでも「立ち方」の一つであり、これが悪いということではないのですが、おそらくこのまま立ち続けていると体重をかけている腰の部分が痛くなるでしょうし、脚も全体に疲れてくるでしょう。何より関節が全体に「ロック」されていてすぐには動きづらい。

楽器を演奏することとは、大小様々な「動き」を伴うものです。特に腕や、呼吸を助ける筋肉の動きは、より自由にダイナミックにかつ繊細に使いたいものです。

脚は一見、それらに直接関係はなさそうですが、実は

・胴体と脚をつなぐ筋肉は呼吸を助ける筋肉と密接に関わりがあり、
・腕を動かす筋肉は腰および骨盤あたりまで繋がっている

のです。

なので、立奏中は「脚全体(足首や膝、そして股関節)」が「常に動ける」状態であることが望ましいと考えます。

これは、多くのアスリートの姿勢と通じるものがあると思います。

 

立つために必要なこと、働くもの。

さて、ここからは前回のブログ「楽器をストラップにかけるときや持ち運ぶときに心がけたい3つのこと」の復習となります。

その中で、

「自分の頭の場所と、背骨の長さを思い出す。」
「私たちの身体を支えているのは、主に身体の深部、背骨の周りにある筋肉です。
これらの筋肉は疲れにくく、1日中私たちの体を重力に反して起こしておいてくれます。」

といった文章がありました。

「これらの筋肉」は主に「脊柱起立筋」といって、私たちの身体を重力に反していつも上向きに支えようとしてくれる筋肉です。
前述の通り疲れにくい=あまり感じられない筋肉なので、立奏時も大いに働いてもらいましょう(笑)。

そしてそれ以外のそれぞれ適した部分に、指や腕を繊細に動かしたり、呼吸をダイナミックに変化させたり、口や顎を繊細にコントロールしたりということをしてもらいましょう。

…おさらいします。

立奏時は

・自分の頭の場所と、背骨の長さを思い出す。
・自分のの身体を支えてくれているのは、主に身体の深部、背骨の周りにある筋肉。
・脚の関節(主に足首、膝、股関節)の全てが自由に動けるように。

どうぞお試しください。

 

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