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レッスンにいらっしゃる生徒さんのご要望の中で最も多いものの一つに、「息があまり吸えてないんです…」というものがあります。

今日はそんな「構え方と呼吸」について考えてみたいと思います。

管楽器の方向けですが、腕を使う全ての皆様へ。

 

 

吸いにくさを生む意外な動き

たくさん吸おうと思ってあらゆることを試しているのに、なかなか息が吸えない。こう訴える生徒さんの中には「ある特定の動き」がよく見られることが多々あります。

ほとんどの管楽器が、両手で楽器を持ち、腕を動かすことで楽器を自分の口元に持ってくるという動きをします。この際、楽器が自分の方に向かって近づいてくるわけですが、それと同時に胴体全体あるいはウエストのあたりから上の部分を「後ろに反らせて」いる方が多く見られます。腕と楽器と一緒の方向に胴体も動かしている、ということですね。これはある意味、楽器が近づいているのに自分は遠ざかろうとする動きとも言えます。

この動きは、吸うことだけでなく吐くこと、呼吸にとって大きく影響を与える動きでもあります。

試しに背中を反らせて、まず息を大きく吸ってみてください・・・。
そして今度は逆に「ちょっと前のめりかな?」と思う程度に体を前傾させて、大きく息を吸ってみてください・・・。

違いがありましたか?

そして同様に背中を反らせて、今度は息をしっかり吐いてみてください・・・。
そしてまた逆に「ちょっと前のめりかな?」と思う程度に体を前傾させて、息をしっかり吐いてみてください・・・。

違いがありましたか?

全ての方が同じ感覚であることはありえませんが、概ね「前傾」の方が呼吸しやすかったのではないかと思います。

これは背中を反らせる=体を後ろに倒すことになるため、それ以上後ろに倒れていかないように呼吸筋含む胴体全体の筋肉が働き始めることによるものと思われます。

 

習慣は根強いもの

「じゃあ早速後ろに反らせる動きをやめてみよう!」と思っても、習慣とは根強いもの。
丁寧に丁寧に観察を続けていると、どうしても少し後ろに行く動きがわずかに起こってしまっていたり、演奏し始めてふと気づくとまた戻っていたり。

ではなぜそのような動きになるのか。そこには様々な要因があると思います。

リード楽器の方にとっては「リードを歯などにぶつけて壊したくない!」という気持ちが働いたり、または重心のバランスを自然に取ろうとしていたり、「楽器は胸を張って、背筋を伸ばして吹くもの」という気持ちが根強かったり・・・そんな心理的なものや自然発生的なもの、または社会的なものもあるでしょう。

しかしこれらは「腕の構造」と「軸(背骨、肋骨、胸骨)との関係」においての「体の地図」や「動きの仕組み」が曖昧なことからも起こっていると考えます。

根強い習慣を追い出すこと、やめることは少し脇に置いておいて、「腕の動きのアップデート」をしてみませんか?

 

腕のマッピングと簡単エクササイズ

さて、その腕と胴体の付け根、腕の始まりとは、どこでしょうか?

腕の付け根は身体の前側、鎖骨と胸骨(肋骨の中心にある平たい骨)との関節の部分になります。

腕が動く時は、この鎖骨と胸骨の関節から動くことになります。そして背中にある肩甲骨も腕の骨格です。これも腕が動く時に同時に肋骨の上を滑るように動きます。

エクササイズ①
・まず鎖骨と肩甲骨も腕で、腕の付け根は鎖骨と胸骨の間にあることを思い出しながら
・両肘をゆっくり曲げます。曲がり切るところまで十分に。
・曲げたまま肘から先を回転させてみます。「キラキラ」の動きですね。これは肘の動きです。
・そのまま指先から上へ高く上げていきます。鎖骨と肩甲骨も腕で、腕の付け根は鎖骨と胸骨の間にあることを思い出しながらゆっくりと。
・肘を曲げながら腕を下ろし、下りきったら肘を伸ばします。これを3回ほど繰り返します。

 

エクササイズ②
・片方の肘を曲げ、手の甲を反対側の頰の横に持ってきます。「オホホ」のポーズですね。
・そのまま指先を上に伸ばします。鎖骨と肩甲骨も腕で、腕の付け根は鎖骨と胸骨の間にあることを思い出しながら。
・頬の横に戻します。これを片方10回ずつ。

 

それでは、

・自分の頭の場所と、背骨の長さを思い出し、
・鎖骨と肩甲骨も腕で、腕の付け根は鎖骨と胸骨の間にあることを思い出しながら、
・腕が動くことで楽器が自分の口元にやって来て、
・どうぞ音を出してみてください。

いかがでしたでしょうか?

このエクササイズは肩こりの方にもオススメですので、ぜひお友達やご家族にもご紹介くださいね!

 

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